終戦記念日なので 読んだ本をもう1冊・・・
水曜日の凱歌
新潮社 (2015/7/22)乃南 アサ (著)
昭和20年8月15日 終戦の日。
男たちは戦争に負けたが 女たちの新たな戦争がはじまった・・・
敗戦国日本に進駐軍がやってくる。
日本女子の貞操を守らねばならない・・・・
そのため 職業として多くの女たちを集め 進駐軍の相手をさせることにした。
母と二人きりになってしまった 十四歳の鈴子は 家を焼かれ 東京を転々としていた。
英語ができる母は 通訳として雇われることになった。
それが 歴史に残るRAA(特殊慰安施設協会)である。
集められた女たちと 進駐軍との通訳・・・
大森海岸の料亭「小町園」が第一号で 次々と開設されていった。
14歳の鈴子は おぼろげながらその職業が何であるのか 理解していく。
身を守るため 坊主頭にされた鈴子。
その後 母は米軍の将校と仲良くなり 熱海に移転。
将校の庇護のもと 何不自由のない生活をするが 母に対して反発も覚えていく。
翌年には 公娼制度が廃止される。
職を失い 収入が途絶えることを恐れた 女たちは熱海へも殺到し 民間の慰安所へと流れていく。
国家、女と男、アメリカ、自由・・・ 戦後の混乱期 主を失った女たちは家族を養うため 稼がなければならない。
しかし 手に職もなくお金を稼げない弱い立場の女たち。
戦後を生き抜いていくには 女でも一人で生きていく力を備えなければならない。
しかし 自分の恵まれた立場は 生きるため身を売っている女たちの 犠牲の上にある。
そんな 矛盾した生活に悩みながらも 生きていく姿を 少女の目を通して描いている。
フイクションではあるが 少なからずも戦後の日本の姿を描いていると思う。
posted by うめのはな at 07:25|
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